ケアポリス誕生物語

ケアポリス誕生物語

ケアポリス誕生物語

プロポリス配合の歯磨剤「ケアポリス」はどうやって誕生し、成長してきたのか。

ミスタープロポリスと呼ばれた檜山先生との出会い、「ケアポリス」が世に出るまでの経緯など、株式会社オーラルプラス 代表取締役の米原建二がすべて語ります。

歯科医師・檜山隆一先生との出会い

歯科医師の檜山先生との出会い。

それは私の人生を変えるきっかけとなったものです。

かれこれ10年以上も前の2004年、私が勤務先(株式会社オーラルケア)の営業職として全国を飛び回っていたころになります。
先生との出会いは、以下のようなきっかけでした。

「ミスタープロポリスと呼ばれている予防に熱心な先生が大阪にいる。会ってもらえないか」。
ある日、取引先の歯科業者から、こんな電話が入りました。ミスタープロポリスというのは、檜山先生といって大阪で開業されている歯科医師のようでした。

しかし、私の勤務先は東京です。緊急の用件でもなければ、関西方面の医院訪問は他の出張予定などに合わせて、アポイントを入れることになります。
でもそのときは、何か引っかかるものがあったのです。直感と言ってしまえば月並みですが、すぐにお会いしたほうがいいと判断しました。

早速、大阪に出向き、(医)白磁会 中之島センタービル歯科の院長を務めておられた檜山先生にお会いすることになりました。

檜山隆一先生

挨拶が終わるや否や、先生の最初の一言が「米原さん、プロポリスを知っていますか」でした。

お顔はにこやかでしたが、目の奥が笑っていません。
これは真剣勝負が始まるぞ、そんな予感がしました。

先生の真剣さにやや押され気味だった私は、「いいえ、プロポリスという名前を聞いたことがある程度で、何も知りません」と正直に答えました。
この先生の前では、中途半端な知ったかぶりなどしても、通用しないと思ったからです。

プロポリスの抗菌・殺菌作用に驚く

私の予感は見事に的中しました。挨拶が終わってから約2時間、プロポリスのレクチャーをみっちり先生から受けることになりました。
初対面の人に、これだけ熱くプロポリスについて語れるのは、並々ならぬ情熱です。私はお話を聞きながら「これは確かにミスタープロポリスだ」と、心の中でつぶやいていました。

先生はプロポリスの語源から、口腔への応用の可能性についても教えてくださいました。その内容を当時のメモをもとに補足し、要約すると次のようなお話でした。

ブラジルの一部地域に生息するアフリカミツバチが、薬理作用の高い樹木からエキスを吸い、巣箱の入り口に塗り付けます。
これがプロポリスであり、強い抗菌・殺菌作用で巣箱を外敵から守っています。
プロポリスとは、ラテン語の「pro」(前、正面)とギリシャ語の「polis」 (都市)が語源になっており、「都市への侵入を防ぐ城壁」「前方を守備する」といった意味になります。

この説明を聞いて、ピンとこられた歯科関係者もおられるでしょう。

都市(ミツバチにとっては巣箱)の「入り口」とは、われわれ人体における「口」なのです。
つまり、プロポリスのすぐれた抗菌・殺菌作用は、口腔内にとっても非常に有効なのではないか。先生は、この点に着目しておられました。
そのときすでにプロポリス配合の歯磨剤を開発中だったのです。

そして、先生から思いがけない提案が・・・

プロポリス配合の歯磨剤を初めて使ってみる

「米原さん、これ使ってみてください」と、試作品のプロポリス配合の歯磨剤を手渡されました。

先生の突然の言葉に驚きましたが、2時間のレクチャーを受けたばかりで、プロポリスへの関心が高まっていたところです。
私が喜んでその申し入れを受けたのは、言うまでもありません。

初めて使ったときは、歯磨剤のグリーンのペーストに少し驚きましたが、不思議と口の中に馴染んでいくような感覚がありました。
使用を開始してから一週間後、口内の粘り気がなくなってきて、爽やかになってきたのを実感。私も仕事柄、いろいろな歯磨剤を使った経験がありますが、これは今までに感じたことのない使用感でした。

これがプロポリスというものなのか。私はさっそく先生にお電話をして、「こんなに口の中が変わるんですね」と、使用の感想を率直に伝えました。
すると先生は、思いもかけないことをおっしゃったのです。なんと、このプロポリス配合の歯磨剤を販売できないかというのです。

実際にこの歯磨剤の素晴らしさを実感していた私ですから、ぜひ取り扱いをせていただきたいと思いました。
しかし、当時は企業の一営業マンであった私が、新商品の販売を独断で決めるわけにはいきません。一旦、会社に持ち帰り検討させてもらうことにしました。

さて、その結論から言うと、この話は見送りとなってしまいました。じつはこのとき、会社では別の製品の開発プロジェクトが進行中で、私の提案はタイミングが悪かったのです。
これでこの話も終わりか。個人的には非常に残念でしたが、私も一介のサラリーマンでしたから、これ以上はどうにもなりません。ご縁がなかったのだと、あきらめることにしました。

檜山先生の情熱を受け、ついに独立を決意

ところがです。しばらくすると、檜山先生から「なんとか販売できないか」と、再度ご連絡をいただきました。
私はあらためて事情を説明して丁重にお断りしたのですが、数日後、またご連絡があり、そんなやり取りがしばらく続いたのです。

この間、先生の情熱は衰えるどころか、ますます強くなっていくように感じられました。

そしてついに、「プロポリスの歯磨剤で1人でも多くの歯周病患者さんを救いたい」という熱い思いに、私も動かされることになったのです。

オーラルプラスを設立「先生がそこまで言われるなら、私がやりましょう。プロポリスの歯磨剤に賭けてみたいと思います」と、先生のもとを訪ね決意を述べました。

生まれて初めて独立する決心をした、私にとっても人生の転機になった瞬間です。

株式会社オーラルプラス 代表取締役 米原建二

先生は両手で私の肩を何度も叩いて、「ヨネケン、やっぱり男や!」と顔をくしゃくしゃにして喜んでくださいました。

ちなみに、ヨネケンとは私の愛称です。

こうして、プロポリス配合の歯磨剤を販売する会社として、株式会社オーラルプラスを立ち上げることになりました。
しかし正直、本当にこの新しい歯磨剤が売れるのか不安もありました。

そんな私の心のうちを察してか、先生はお会いするたびにこう言われました。
「これは間違いなく売れます。何故かと言うと、プロポリスは歯周病菌の活動を抑える働きがきわめて強いからです」と。
文字にしてしまうと当たり前のことですが、先生の口から確信に満ちた言葉として聞くと、本当に心の底から力が湧いてきました。

さらに先生は、ご自身の歯科医院をあげて全面的にバックアップをし、研修会やデンタルショーに出展するときは、スタッフみんなで応援するとおっしゃってくださいました。
当時、会社を立ち上げたとはいえ、社員はまだ私一人。先生の心強いお言葉に励まされての船出となりました。

オーラルプラスの設立であらためて知ったのは、檜山先生の「ケアポリス」に対する強い思い入れでした。具体的にどんなこだわりがあったのか。その答えは次章で。

プロポリスを使った世界一の歯磨剤を作ろう

プロポリス配合の新しい歯磨剤は「ケアポリス」と名付けられました。
じつは、檜山先生たちの研究は、販売が開始される3年も前から始まっていたのです。プロポリスの専門メーカーの日本自然療法(株)と歯磨剤製造大手の日本ゼトック(株)、またプロポリスを積極的に研究している東京歯科大学の協力もありました。

ミツバチの贈り物プロポリスプロポリスの選定にあたっては、ミツバチの種類、樹木の種類、産地、採取の季節、プロポリスの抽出方法、これら全てにとことんこだわりました。

また、プロポリスは濃度を上げれば上げるほど、歯周病菌を抑えられることが、東京歯科大学の研究で実証されていました。
そこで「ケアポリス」には、当時の市販品の5倍以上という、これまでの歯磨剤では考えられないほどの高濃度のプロポリスを配合することになったのです。

「ケアポリス」のペーストはグリーン色をしています。これは葉緑素と、薬理効果が高く高品質で知られるウルトラグリーンプロポリスの色です。
葉緑素は口臭に効果が高い成分ですから、口臭でお悩みの方や高齢者にもおすすめできます。
高品質のウルトラグリーンプロポリスをたっぷり配合した歯磨剤、それが「ケアポリス」ということになります。

患者さんに勧める歯磨剤は安心・安全でなければならない

これだけでも十分と思われましたが、檜山先生にはどうしても妥協できないこだわりが他にもありました。

それは、化学成分を限界まで取り除くということです。

具体的に言えば、天然由来成分を使用し、発泡剤、防腐剤、研磨剤、界面活性剤を含まない、安心・安全な歯磨剤ということになります。

先生はなぜ歯磨剤に配合する成分に、これほどまでにこだわったのでしょうか。
その理由の一つは、歯科医院で歯科医師、歯科衛生士さんが患者さんに勧めるものは、安心・安全でなければならないという信念をもたれていたからです。
これは先生の歯科診療における哲学といってもいいでしょう。

もう一つの理由は、プロポリスの特性を最大限に活かしたかったからです。 プロポリスは本来、体内に取り入れるサプリメントです。
あらゆる軟組織や粘膜に対して抗炎症作用があると言われています。
ですから、プロポリスを口腔内に長く滞留させたほうが、効果を最大限に発揮できるわけです。
そのためには、歯磨き後に口中に残ったペーストは、軽く吐き出すぐらいで、うがいしないでも済むものでなければなりません。
その意味でも、安全な歯磨剤にする必要があったのです。

ちなみにケアポリスの消費期限は、製品の口を開けてから3年は大丈夫です。

古代エジプト時代にはミイラに塗っていたという言い伝えがあるほど、プロポリスは防腐効果に優れている天然成分です。
それぐらい、安心してご使用いただける歯磨剤だということになります。

歯肉マッサージにも使える歯磨剤にしたい

「ケアポリス」は歯磨剤としてはもちろん、歯科衛生士さんが行うメインテナンスの際にも、歯肉マッサージで使ってほしいという思いもありました。
歯肉に直接塗るわけですから、そのためにもできる限り化学成分を排除し、天然由来成分を多く配合したわけです。

歯肉マッサージにも最適歯肉マッサージの話が出たので少し補足します。

「ケアポリス」にはハッカ油も入っています。これにより歯肉、粘膜をすべるように指が動き、潤滑性が高いジェルになりました。
ハッカ油の刺激により唾液も分泌されますので、高齢者を中心にふえている口腔乾燥がある人にも喜ばれています。
歯肉マッサージと「ケアポリス」の相性はとても良いようで、全国の歯科衛生士さんから好評を得ています。

その他にも、「ケアポリス」の成分の中で、近年ますます注目されているものがあります。それはIPMP(イソプロピルメチルフェロール)という薬用成分です。
これはバイオフィルムに浸透し殺菌する優れものです。プロポリスとダブル効果で歯周病菌を叩いてくれます。

次は、ケアポリス誕生物語を締めくくるエピローグです。檜山先生が“命がけ”で開発された「ケアポリス」を、受け継いでいくのが私の使命です。

ケアポリスは先生の遺志を継ぐ大切なバトン

現在、「ケアポリス」は年間に10万本以上が出荷されるまでに成長しました。

派手な宣伝もせずにここまで来れたのは、なんと言っても実際に使用された患者さんが「これはいい!」と実感してくださったからです。

そして、予防歯科に熱心な歯科医師、歯科衛生士の皆さんが認めていただき、積極的にケアで利用し、患者さんに勧めてくださったからです。
おかげさまで、どこの導入医院へ行っても、患者さんからのリピートが非常に多い歯磨剤だと言われます。

さて、ここまで「ケアポリス」の誕生から現在までを、ご紹介させていただきました。最後にこの「ケアポリス誕生物語」の、つらいエピローグを書かなければなりません。

「ケアポリス」の生みの親である、歯科医師の檜山隆一先生についてです。 じつは先生は若いころからガンを患い、闘い続けておられました。
「ケアポリス」のような歯磨剤を開発しようと思われた背景には、先生の徹底した健康観、さらに「本物」を追及した医療者としての信念が色濃く投影されていたのです。

健康とはどうあるべきか。また医療者としてどんな治療や口腔ケア製品を、患者さんに提供すべきか。こうしたことに、先生は命がけで学び、答えを探し続けたのです。
そのすべてが、「ケアポリス」という歯磨剤に結実しているということになります。

「ケアポリス」が発売され全国の歯科医院へと普及し始めた矢先、先生は永眠されました。
まるで、「ケアポリス」が多くの人々に受け入れられた様子を見て安心されたかのように。

私は、「ケアポリス」は先生から受け取ったバトンだと思っています。

先生のご遺志を継いで、この大切なバトンを、全国の歯科医院へ、歯科医療従事者へ、そして患者さんへと渡し続けてまいります。